
🔍 タップで拡大
アパトサウルス(学名 Apatosaurus excelsus)は、約1億5,400万〜1億4,500万年前のジュラ紀後期、現在の北アメリカにすんでいた首の長い巨大な植物食恐竜です。学名は「まやかしのトカゲ」を意味します。かつて「ブロントサウルス(雷竜)」と呼ばれた恐竜と深い関わりがあることで有名です。
19世紀、化石発見をめぐる研究者の競争のなかで、アパトサウルスとブロントサウルスが別々に名づけられました。しかしのちに同じ恐竜だとされ、先に名づけられた「アパトサウルス」が正式名になりました。「ブロントサウルス(雷竜)」という親しまれた名は長く使われない時期が続きましたが、2015年の研究で「やはり別種として復活できる」とされ、再び注目されています。学名の「まやかしのトカゲ」は、この混乱の歴史をよく表しています。
アパトサウルスはディプロドクスの近い親戚ですが、より太くがっしりした体をしていました。全長21〜23メートル、体重は20トン以上。とくに首は太く力強く、骨も頑丈でした。同じディプロドクス科でも、すらりとしたディプロドクスとは対照的な、重量感のある姿です。
太い首は、低い位置から中くらいの高さの植物を、広くなめるように食べるのに向いていました。長い尾はムチのようで、敵をおどしたり、バランスをとったりするのに役立ったと考えられます。首の骨には大きな突起があり、強力な筋肉や、もしかすると装飾的な構造がついていた可能性も指摘されています。
骨の年輪のような成長線を調べた研究から、アパトサウルスは生まれてから10年ほどで急速に成体の大きさまで成長したことが分かっています。小さく生まれた子どもが、わずかな期間で巨大化したのです。これは、肉食恐竜に狙われやすい子ども時代を、できるだけ早く脱するためだったと考えられています。
巨大な体を支えるため、四本の柱のような足は太く頑丈でした。背骨には空気の入った空洞があり、見た目より軽量化されていました。歩くときは一歩ごとに地面を揺らすほどだったでしょう。足あとの化石からは、群れで移動していた可能性も読み取れます。
アパトサウルスがいたジュラ紀後期のモリソン層は、雨季と乾季のはっきりした半乾燥地でした。ディプロドクスやブラキオサウルス、ステゴサウルス、肉食のアロサウルスなどと同じ世界を生き、大量の植物を食べて巨大な体を維持していました。「雷竜」の異名どおり、大地を踏みしめて歩く堂々たる姿は、ジュラ紀を代表する光景のひとつです。
分類:竜盤目 > 竜脚形亜目 > 竜脚類 > ディプロドクス上科 > ディプロドクス科 > アパトサウルス亜科