
首の長い巨大恐竜「竜脚類(りゅうきゃくるい)」——ブラキオサウルスやディプロドクスのなかまが、じつは子どものうちは後ろあし2本で立ち上がれたという研究が、2026年7月に発表されました。しかも、大人になって体が重くなると、立てなくなってしまうというのです。
研究チームが調べたのは、南アメリカにすんでいた2種類の竜脚類、ブラジルのウベラバティタンとアルゼンチンのネウケンサウルス(どちらも約6,600万年前)です。研究には、橋や建物の設計にも使われる「有限要素解析(ゆうげんようそかいせき)」という方法を使いました。太ももの骨(大腿骨・だいたいこつ)をコンピューターで再現し、体重や重力の力がどれくらいかかるかを計算したのです。
後ろあしで立ち上がると、いいことがたくさんあります。研究チームは、おもに3つの利点をあげています。①高い木の葉に届く、②体を大きく見せて肉食恐竜をおどす、③繁殖のときに役立つ。首が長いだけでなく、立ち上がることで、竜脚類はもっと高い場所の食べ物まで手に入れられたのかもしれません。
計算の結果、子どもの竜脚類は、太ももの骨にかかる力が小さく、らくに立てたことが分かりました。ところが、大人になって体がずっと重くなると、立ち上がったときに骨にかかる力が大きくなりすぎてしまいます。つまり、体が大きく育つほど、二本足で立つのがむずかしくなるのです。小さいうちだけの、とくべつな“わざ”だったのですね。
イメージするなら、赤ちゃんゾウが後ろ足でひょいと立ち上がるようなものです。体の軽い子どものうちはできても、大人の巨大なゾウが同じことをするのは大変ですよね。竜脚類も同じで、軽い子ども時代だからこそできた立ちわざだった、というわけです。同じ研究方法は、ほかの巨大恐竜の暮らしを知るのにも役立つと期待されています。
竜脚類には、今回の恐竜のほかにも、首がとびきり長いマメンチサウルスや、「何も恐れぬもの」という名の巨体ドレッドノータスなど、個性ゆたかな仲間がたくさんいます。図鑑でくらべてみると、巨大な体をどう支えて生きていたのか、その工夫がもっと見えてきます。
出典:ScienceDaily「Some dinosaurs could rise like giants until they grew too big」(Palaeontology 誌/2026年7月)
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