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ディプロドクス(学名 Diplodocus carnegii)は、約1億5,400万〜1億5,000万年前のジュラ紀後期、現在の北アメリカにすんでいた、とても長い首と尾をもつ植物食恐竜です。学名は「二重の梁(はり)」を意味します。全長25〜27メートルにもなり、もっとも長い恐竜の一頭として知られています。
ディプロドクスは、体重のわりに体がとても長いのが特徴です。ブラキオサウルスのようにずんぐりはしておらず、細long長くてしなやかな体つきでした。体重は10〜16トンと、見た目の大きさのわりには軽めです。長い首と、それ以上に長いムチのような尾で、全長の大半を占めていました。
ディプロドクスの尾は、先に向かってどんどん細くなり、まるでムチのようでした。骨の数は80個以上にもなります。この尾を空中ですばやくふると、先端が音速を超えて「ムチを鳴らす」ような大きな音を出せたのではないか、という説もあります。敵をおどしたり、仲間に合図を送ったりするのに使ったのかもしれません。
ディプロドクスの歯は、口の先のほうにだけ、えんぴつのような細い形で前向きに並んでいました。この歯で、植物の枝から葉だけを「くしでとかすように」しごき取って食べたと考えられています。歯はすり減りやすく、ひと月ほどで新しいものに生えかわっていました。これは恐竜のなかでもとくに速い生えかわりです。
ディプロドクスの長い首をどれくらい高く上げられたかは、議論があります。キリンのように高く上げたという説と、地面と水平に近く保ち、首を左右に振って広い範囲の低い植物を食べたという説があります。エネルギーの節約を考えると、ふだんは低めに保ち、首を箒のように動かして効率よく食べていたとする見方も有力です。
これほど長い体を支えるため、ディプロドクスの背骨には深い溝や空洞があり、軽くて丈夫なつくりになっていました。学名「二重の梁」は、尾の骨の下にある二股に分かれた特徴的な骨に由来します。この構造が、長い首と尾を支える「やじろべえ」のような役割を果たしていました。
種名「カーネギー」は、この恐竜の発掘を支援した実業家アンドリュー・カーネギーにちなみます。ディプロドクスの全身骨格の複製は、20世紀のはじめに世界各地の博物館へ贈られ、「外交大使」として恐竜の人気を世界中に広める役割を果たしました。日本をふくむ多くの国の人々が、この複製を通じて初めて巨大恐竜の姿を目にしたのです。
ディプロドクスがいたジュラ紀後期の北アメリカ(モリソン層)は、雨季と乾季のはっきりした半乾燥の平原でした。ブラキオサウルスやアパトサウルス、ステゴサウルス、肉食のアロサウルスなど多くの恐竜と同じ時代を生きました。長い首と尾を生かし、広い範囲の植物を効率よく食べることで、巨大な体を維持していたのです。
分類:竜盤目 > 竜脚形亜目 > 竜脚類 > ディプロドクス上科 > ディプロドクス科