
🔍 タップで拡大
ムスサウルス(学名 Mussaurus patagonicus)は、約2億1,500万年前の三畳紀後期、現在のアルゼンチンにすんでいた植物食恐竜です。学名は「ねずみトカゲ」を意味します。成長すると歩き方が変わることで有名な、初期の竜脚形類です。
ムスサウルスの学名「ねずみトカゲ」は、最初に見つかった化石が、とても小さな赤ちゃん(幼体)だったことに由来します。手のひらに乗るほど小さかったため、「ねずみ」と名づけられました。しかしその後、おとなは全長6メートルにもなる大型恐竜だと分かったのです。
ムスサウルスでもっとも興味深いのは、成長するにつれて歩き方が変わることです。生まれたばかりの赤ちゃんは4本足で歩き、成長すると2本足に、そしておとなになると再び4本足に近づいた、と考えられています。これは、体の重さのバランスが、成長とともに変わったためです。恐竜の成長を知る、貴重な研究です。
ムスサウルスは、のちの巨大な竜脚類(ブラキオサウルスなど)につながる「竜脚形類」の初期のなかまです。プラテオサウルスに近い、古竜脚類のグループに属します。竜脚類が、どのように2本足から4本足の巨大恐竜へと進化していったかを知る、重要な手がかりです。
ムスサウルスは、卵・赤ちゃん・おとなが、年齢ごとにまとまって見つかっており、群れで生活し、子育てをしていた可能性が高いとされています。これは、もっとも古い時代の「群れで暮らす恐竜」の証拠のひとつです。恐竜の社会性が、早い時代から始まっていたことを示しています。
ムスサウルスがいた三畳紀後期のアルゼンチンは、季節のある乾いた平原でした。恐竜が大型化し始めた、まさにその初期の時代です。ムスサウルスは、成長で歩き方が変わるという発見で、恐竜の成長と進化の不思議を教えてくれる、貴重な恐竜です。
分類:竜盤目 > 竜脚形亜目 > 竜脚形類(基盤的位置)