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パキリノサウルス(学名 Pachyrhinosaurus canadensis)は、約7,000万年前の白亜紀後期、現在のカナダやアラスカにすんでいた大型の植物食恐竜(角竜)です。学名は「分厚い鼻のトカゲ」を意味します。鼻の上に角ではなく、ぶ厚い骨のかたまり(ボス)をもつ、変わった姿の角竜です。
多くの角竜が鼻の上に角をもつのに対し、パキリノサウルスは角のかわりに、ごつごつとした分厚い骨のかたまりをもっていました。このこぶの役割については、頭をぶつけ合う力比べに使った、あるいは角の土台が変化したものなど、さまざまな説があります。フリル(えり飾り)にも独特の突起が並んでいました。
パキリノサウルスは、アラスカのような高緯度の寒い地域でも化石が見つかっています。白亜紀のアラスカは今より温暖でしたが、それでも冬は暗く寒かったはずです。パキリノサウルスは、そうした厳しい環境にも適応して暮らしていた、たくましい角竜でした。
パキリノサウルスは、何百頭もの化石がまとまって見つかる「ボーンベッド(骨の層)」が知られています。これは、大きな群れをつくり、季節に応じて長い距離を移動していたことを示すと考えられています。群れで行動すれば、肉食恐竜から身を守りやすくなります。
パキリノサウルスは、強い頬の歯で、かたい繊維質の植物もかみ砕いて食べていました。寒い土地では食べられる植物が限られるため、丈夫な歯であらゆる植物を利用していたとみられます。低い位置の植物を、くちばしと歯で効率よく処理していました。
パキリノサウルスは、フリルが短めのセントロサウルス類というグループに属します。トリケラトプスとは別の系統で、角のかわりにこぶをもつという独自の進化をとげました。角竜が見た目をさまざまに変化させた、その多様さを示す代表例です。
パキリノサウルスがいた白亜紀後期の北アメリカ北部は、寒暖の差のある沿岸平野でした。大きな群れで移動しながら、分厚い鼻のこぶとフリルで仲間を見分け、たくましく暮らしていました。寒冷地にも進出した、角竜の適応力を物語る恐竜です。
分類:鳥盤目 > 周飾頭類 > 角竜類 > ケラトプス科 > セントロサウルス亜科