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パラサウロロフス(学名 Parasaurolophus walkeri)は、約7,600万〜7,300万年前の白亜紀後期、現在の北アメリカにすんでいた植物食恐竜です。学名は「サウロロフスに近いトカゲ」を意味します。頭の後ろに長くのびた管のようなとさか(クレスト)が特徴の、カモノハシ竜(ハドロサウルス)のなかまです。
パラサウロロフス最大の特徴は、頭の後ろへ長くのびた、湾曲した管のようなとさかです。長いものでは1メートルを超えました。このとさかの中は空洞になっていて、鼻の穴から続く管が折り返して通っていました。恐竜のなかでもひときわ目立つ、ユニークな頭をしています。
とさかの中の管に空気を通すと、トロンボーンのような低い音を響かせられたと考えられています。コンピューターでその音を再現した研究もあり、仲間どうしのコミュニケーション(鳴き声)や、相手へのアピールに使われたという説が有力です。オスとメス、子どもでとさかの形や大きさがちがったとも考えられ、声の高さで個体を区別していたのかもしれません。
パラサウロロフスは、口の先の幅広いくちばしで植物をかみ取り、口の奥のたくさんの歯(デンタルバッテリー)ですりつぶしていました。歯は数百本がぎっしり積み重なり、すり減ると次々生えかわりました。かたい植物も効率よく食べられたため、ハドロサウルス類は白亜紀後期に大繁栄しました。
パラサウロロフスは、ふだんは4本足で歩き、急ぐときや見晴らしをよくするときは2本足になれたと考えられています。前あしはやや短く、後ろあしは力強い構造でした。この切り替えのできる体は、エサ探しや危険からの逃走に役立ちました。
ハドロサウルス類の多くは群れで暮らしていたと考えられており、パラサウロロフスも例外ではないとみられます。とさかの鳴き声は、群れの仲間とはぐれないための合図や、危険を知らせる警報にも役立ったでしょう。繁殖のために高地へ移動した可能性も指摘されています。
パラサウロロフスがいた白亜紀後期の北アメリカは、河川や森林のある沿岸平野でした。多くの植物食恐竜や、ティラノサウルスのなかまの肉食恐竜と同じ世界を生き、すぐれた歯と群れの結束、そしてとさかの「声」を武器に繁栄していました。恐竜の「鳴き声」を研究できる、貴重な手がかりをもつ恐竜です。
分類:鳥盤目 > 鳥脚亜目 > イグアノドン類 > ハドロサウルス科 > ランベオサウルス亜科