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ニジェールサウルス(学名 Nigersaurus taqueti)は、約1億1,000万年前の白亜紀前期、現在のアフリカ(ニジェール)にすんでいた首の長い植物食恐竜です。学名は「ニジェールのトカゲ」を意味します。掃除機のような口をもつ、たいへん変わった竜脚類(りゅうきゃくるい)です。

ニジェールサウルス最大の特徴は、まっすぐに切りそろえたような、幅広い口先です。その口の先には、なんと500本以上もの細かい歯が横一列にびっしり並んでいました。これはまるで掃除機やバリカンのようで、地表近くの低い植物を、なめるように刈り取って食べるのにぴったりの形でした。首の長い恐竜のなかでも、とびきり個性的な口の持ち主です。
ニジェールサウルスの歯は、すり減るとすぐに新しいものに生えかわりました。その速さは恐竜のなかでもとびぬけており、1本の歯が約2週間で交換されたと推定されています。低い位置の砂まじりの植物を食べると歯がすり減りやすいため、こうした速い生えかわりが必要だったのです。歯の「工場」のような口を、ニジェールサウルスはもっていたのです。
ニジェールサウルスの頭は、いつも地面を向くようなつくりになっていました。脳やバランス感覚の器官を調べた研究から、自然な姿勢では口が下を向いていたことが分かっています。長い首を低く保ち、地表の植物を効率よく食べる、「草刈り機」のような暮らしをしていたのです。高い木の葉を食べるブラキオサウルスとは、正反対の食べ方でした。
ニジェールサウルスの頭骨は、とても薄く、穴だらけで軽くできていました。光が透けて見えるほどだったといわれます。この軽い頭は、長い首の先で頭をすばやく動かして、効率よく植物を刈り取るのに役立ったと考えられます。むだをそぎ落とした、「食べる」ことに特化した体のつくりでした。
ニジェールサウルスがいた白亜紀前期のニジェールは、今は砂漠のサハラですが、当時は川や湖のある緑豊かな土地でした。同じ世界には、ワニのような口をもつスピノサウルス類のスコミムスなどの肉食恐竜もすんでいました。ニジェールサウルスは、地表の植物を掃除機のように食べるユニークな暮らしで、この豊かな大地に繁栄していたのです。
ニジェールサウルスの変わった口は、竜脚類が「いかに効率よく植物を食べるか」を、さまざまな方法で追求していたことを示しています。高い木の葉を食べるブラキオサウルスとは正反対の、地表専門の食べ方。同じ「首の長い恐竜」でも、こんなにちがう暮らし方があったのです。恐竜の進化の豊かさを教えてくれる、興味深い恐竜です。
掃除機のような口で地面の植物を刈り取る変わり者——ニジェールサウルスは、竜脚類の食べ方がいかに多様だったかを教えてくれる、ユニークな恐竜です。同じ首の長い恐竜でも暮らし方はさまざま。恐竜の進化の豊かさを感じさせてくれます。恐竜図鑑NAVIで、ほかの恐竜たちもチェックしてみてね!
出典:Encyclopaedia Britannica/Natural History Museum, London/DinoAnimals Dinosaur Database(最終確認:2026年7月)
分類:竜盤目 > 竜脚形亜目 > 竜脚類 > ディプロドクス上科 > レッバキサウルス科
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