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ジェンユアンロン(学名 Zhenyuanlong suni)は、約1億2,500万年前の白亜紀前期、現在の中国にすんでいた小型の肉食恐竜です。学名は発見にかかわった人物にちなんで「鄭氏(ジェンユアン)の竜」を意味します。立派な翼をもつ羽毛恐竜として話題になりました。
ジェンユアンロンは、ヴェロキラプトルと同じドロマエオサウルス科の小型恐竜です。最大の特徴は、前あしに生えた、現在の鳥のような立派な翼です。風切羽のような大きな羽根がきれいに並び、まるで鳥のような姿でした。「短い腕に大きな翼をもつ恐竜」として注目されました。
ジェンユアンロンは立派な翼をもっていましたが、体が大きく腕が短いため、飛ぶことはできませんでした。では何のための翼だったのか——これは、羽根が飛ぶためだけでなく、ディスプレイ(仲間へのアピール)や、卵を温めること、走るときのバランスなどに使われたことを示す、重要な手がかりです。
飛べない恐竜が立派な翼をもっていたことは、「翼は飛ぶために生まれたのではない」という考えを裏づけます。鳥の翼が、もともと別の目的で発達し、のちに飛行に使われるようになった——その進化の道すじを、ジェンユアンロンは教えてくれます。
ジェンユアンロンは、中国・遼寧省の義県層から見つかりました。マイクロラプトルやシノサウロプテリクスなど、多くの羽毛恐竜を産出する、世界的に有名な地層です。火山灰が降り積もったおかげで、翼の羽根の一本一本まで残る、保存のよい化石が生まれました。
ジェンユアンロンがいた白亜紀前期の中国は、湖や森のある火山地帯でした。立派な翼をもつ小さなラプトルが、地上を走り回っていたことでしょう。ジェンユアンロンは、鳥の翼の起源を考えるうえで重要な、美しい羽毛恐竜です。
分類:竜盤目 > 獣脚亜目 > コエルロサウルス類 > ドロマエオサウルス科