
🔍 タップで拡大
テリジノサウルス(学名 Therizinosaurus cheloniformis)は、約7,000万年前の白亜紀後期、現在のモンゴルにすんでいた大型の恐竜です。学名は「大鎌(おおがま)のトカゲ」を意味します。前あしに生えた、長さ1メートル近い巨大なかぎ爪が最大の特徴で、恐竜のなかでもひときわ異様な姿で知られます。
テリジノサウルス最大の特徴は、前あしの3本指に生えた、信じられないほど長いかぎ爪です。最大のものは1メートル近くもあり、知られているなかでもっとも長い爪をもつ動物とされています。発見当初は、この爪だけが見つかり、巨大なカメの肋骨ではないかと考えられたほどでした。
これほど長い爪は、狩りの武器には不向きです。現在では、高い木の枝を引き寄せて葉を食べるのに使ったという説が有力です。木の枝にひっかけて手前にたぐり寄せ、葉をついばんだのでしょう。ほかに、敵から身を守る防御や、仲間へのアピールにも役立ったかもしれません。
テリジノサウルスは獣脚類(多くは肉食)のなかまですが、植物を主に食べていました。小さな頭、長い首、大きなおなか(植物を消化するため)という、肉食恐竜らしくない体つきをしていました。獣脚類のなかで、食べ物の好みが大きく変わった、進化のおもしろい例です。
テリジノサウルスは全長9〜10メートル、体高は4〜5メートルにもなりました。近縁種の証拠から、体は羽毛におおわれていたと考えられています。巨大な体に羽毛をまとい、長い爪をもつその姿は、まるで空想上の生きもののようですが、実在した恐竜です。
テリジノサウルスは、有名なわりに見つかっている化石が少なく、おもに前あしと爪、後ろあしの一部だけが知られています。そのため全身の姿は、近縁のテリジノサウルス類(エルリコサウルスやノトロニクスなど)をもとに復元されています。まだ多くの謎を残した恐竜です。
テリジノサウルスがいた白亜紀後期のモンゴルは、植物の豊かな森林や湿地が広がる、比較的温暖な土地でした。同じ時代・同じ場所には、タルボサウルスのような大型肉食恐竜もいました。テリジノサウルスは、長い首と巨大な爪で高い木の葉を食べる、独自の生き方で繁栄していたのです。
分類:竜盤目 > 獣脚亜目 > テリジノサウルス類 > テリジノサウルス科