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バリオニクス(学名 Baryonyx walkeri)は、約1億3,000万〜1億2,500万年前の白亜紀前期、現在のイギリスにすんでいた肉食恐竜です。学名は「重いかぎづめ」を意味します。スピノサウルスのなかまで、ワニのような口と、前あしの大きなかぎ爪が特徴です。
バリオニクス最大の特徴は、前あしの親指にある、長さ30センチを超える大きなかぎ爪です。この爪は、クマが川で魚をひっかけて捕るように、魚をすくい取るのに使ったと考えられています。学名「重いかぎづめ」も、この印象的な爪に由来します。
バリオニクスの口先は、ワニのように細long長く、円すい形の小さな歯がたくさん並んでいました。これは、ぬるぬるした魚をしっかりくわえて捕らえるのに向いた形です。実際、バリオニクスの胃のあたりからは、消化されかけた魚のうろこが見つかっており、魚食だった証拠とされています。
バリオニクスの胃の内容物からは、魚だけでなく、若い植物食恐竜(イグアノドンのなかま)の骨も見つかっています。これは、バリオニクスが魚を主食にしつつ、機会があればほかの恐竜も食べていたことを示します。水辺で幅広い獲物をとらえる、たくましいハンターだったのです。
バリオニクスは、保存のよい骨格が見つかった最初期のスピノサウルス類のひとつで、このグループの暮らしを理解するうえで重要な恐竜です。バリオニクスの研究によって、スピノサウルス類が魚を主食にする水辺のハンターだったことがはっきり分かってきました。
バリオニクスは1983年、イギリスの粘土採取場で、アマチュアの化石採集家が見つけた大きな爪をきっかけに発見されました。ヨーロッパでこれほど保存のよい大型肉食恐竜が見つかるのはめずらしく、大きな話題になりました。発見者の名前が学名に残されています。
バリオニクスがいた白亜紀前期のイギリスは、河川や湿地のある水辺の環境でした。同じ地域にはイグアノドンなどの植物食恐竜もいました。バリオニクスは、ワニのような口と大きな爪を武器に、水辺で魚や恐竜を狩って暮らす、独自の生き方をしていたのです。
分類:竜盤目 > 獣脚亜目 > メガロサウルス上科 > スピノサウルス科