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ノトロニクス(学名 Nothronychus)は、約9,200万年前の白亜紀後期、現在の北アメリカにすんでいた植物食恐竜です。学名は「なまけもののようなかぎづめ」を意味します。北アメリカで見つかったテリジノサウルス類として重要な恐竜です。
テリジノサウルス類は、おもにアジアで見つかるグループですが、ノトロニクスは北アメリカで見つかった、保存のよいテリジノサウルス類です。これは、このグループがアジアから北アメリカへと広がっていたことを示す、重要な発見でした。学名「なまけもののようなかぎづめ」は、その姿にちなみます。
ノトロニクスは、テリジノサウルス類らしく、大きなおなか(植物を消化するため)と、長い前あしのかぎ爪をもっていました。小さな頭と長い首をもち、くちばしと小さな葉っぱ形の歯で植物を食べていました。獣脚類でありながら、植物食に高度に適応した姿です。
ノトロニクスは、近縁種の証拠から、体が羽毛におおわれていたと考えられています。大きなおなかと長い爪をもち、羽毛をまとった姿は、まるで空想上の生きもののようですが、実在した恐竜です。長い爪で木の枝を引き寄せ、葉を食べていたとみられます。
ノトロニクスは、北アメリカで見つかったことで、テリジノサウルス類の分布と進化を考えるうえで重要な役割をはたしました。同じ北アメリカには、初期のファルカリウスもいました。テリジノサウルス類が、北アメリカでも栄えていたことを示しています。
ノトロニクスがいた白亜紀後期の北アメリカは、温暖で湿った海岸近くの低地でした。豊かな植物にめぐまれ、植物食恐竜が暮らすのにぴったりの環境でした。ノトロニクスは、長い首と爪で高い植物を食べる、北アメリカの貴重なテリジノサウルス類です。
分類:竜盤目 > 獣脚亜目 > コエルロサウルス類 > テリジノサウルス類 > テリジノサウルス科