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テティスハドロス(学名 Tethyshadros insularis)は、約8,000万年前の白亜紀後期、現在のイタリアにすんでいた中型の植物食恐竜です。学名は「テティス海のハドロサウルス(島の)」を意味します。島で小さく進化したカモノハシ竜のなかまです。
テティスハドロスは全長4メートルほどと、カモノハシ竜のなかまとしては小型でした。これは、当時のヨーロッパが島々に分かれており、限られた食べ物のなかで体を小さくして適応した「島嶼化(とうしょか)」の例と考えられています。エウロパサウルスと同じく、島の環境が恐竜を小型化させた、興味深い恐竜です。
イタリアは恐竜化石が少ない地域ですが、テティスハドロスは保存のよい全身骨格が見つかった、貴重な恐竜です。「アントニオ」という愛称で呼ばれる標本が有名です。ヨーロッパの島々にすんでいた恐竜の姿を知る、重要な手がかりとなっています。
テティスハドロスは、進化したハドロサウルス類(カモノハシ竜)ほど高度ではない、やや原始的な特徴をもっていました。これが、もともと原始的だったのか、それとも島で独自に進化した結果なのかは、研究が続いています。島の恐竜の進化を考えるうえで、興味深い存在です。
テティスハドロスは、くちばしと口の奥の歯で、植物をかみ取ってすりつぶして食べていました。小さな体で、島の限られた植物を効率よく食べていたと考えられます。すらりとした後ろあしをもち、すばやく動けたとみられます。
テティスハドロスがいた白亜紀後期のヨーロッパは、テティス海に島々が点在する環境でした。島という限られた環境で、テティスハドロスは体を小さくして生きのびていました。テティスハドロスは、「島が恐竜をどう変えるか」を教えてくれる、貴重なカモノハシ竜です。
分類:鳥盤目 > 鳥脚亜目 > ハドロサウルス上科(基盤的なハドロサウルス類)