
🔍 タップで拡大
ヤマトサウルスは、約7,200万年前の白亜紀後期、いまの兵庫県・淡路島にすんでいた植物食恐竜(ハドロサウルス科)です。学名は日本の古い呼び名「大和(やまと)」と、日本神話の神「イザナギ」に由来し、淡路島がイザナギ神話ゆかりの地であることにちなんでいます。2021年に発表された、比較的新しい日本産恐竜です。
化石は淡路島南部の和泉層群という地層から見つかった下あごや歯、体の一部の骨です。研究の結果、ヤマトサウルスはハドロサウルス科のなかでも初期に枝分かれした「原始的」な特徴をもつことが分かりました。2021年、小林快次博士らによって命名されています。
ハドロサウルス類は、たくさんの歯がぎっしり積み重なった「デンタルバッテリー」という構造で植物をすりつぶすのが得意でした。ヤマトサウルスのあごは、進化したハドロサウルスより歯の列が少なめで、かむ仕組みがやや単純でした。これは、ハドロサウルス類が高度なあごを獲得していく途中の段階を示すものとして注目されています。
同じ白亜紀末の日本からは北海道のカムイサウルスも知られており、ヤマトサウルスはそれとは異なる系統です。日本列島のあちこちに、異なるタイプのハドロサウルス類がいたことを示す貴重な証拠で、東アジアの恐竜進化を語るうえで重要な一種です。
ホロタイプ(基準標本):兵庫県立人と自然の博物館(下顎・歯・体骨の一部)