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ヘテロドントサウルス(学名 Heterodontosaurus tucki)は、約2億年前のジュラ紀前期、現在のアフリカ南部にすんでいた小型の植物食恐竜です。学名は「異なる歯をもつトカゲ」を意味します。3種類のちがう歯と、キバのような歯をもつ、たいへん変わった恐竜です。
ヘテロドントサウルス最大の特徴は、口の中に3種類のちがう形の歯をもっていたことです。多くの恐竜が同じような形の歯をもつのに対し、ヘテロドントサウルスは、植物をかみ切る歯・すりつぶす歯、そしてキバのような大きな歯を使い分けていました。学名「異なる歯」はここに由来します。
ヘテロドントサウルスの口の前には、イノシシのようなキバ(犬歯状の歯)がありました。植物食恐竜なのになぜキバがあるのか、長く議論されてきました。身を守る武器、オスどうしの力比べ、あるいは食べ物を掘り出すためなど、さまざまな説があります。仲間へのアピールに使われた可能性も指摘されています。
ヘテロドントサウルスは全長1.2〜1.75メートル、体重は数キロほどの小さな恐竜でした。すらりとした体と、物をつかめる器用な手をもっていました。すばやく動き、植物を中心に、ときには小動物も食べる雑食だった可能性があります。
ヘテロドントサウルスは、トリケラトプスやステゴサウルスなどをふくむ「鳥盤類」という大きなグループの、ごく初期のなかまです。鳥盤類がどのように進化を始めたのかを知るうえで、たいへん重要な恐竜です。羽毛のような構造をもっていた可能性も議論されています。
ヘテロドントサウルスがいたジュラ紀前期のアフリカ南部は、季節によって乾燥する内陸でした。同じ時代・同じ場所には、マッソスポンディルスもいました。ヘテロドントサウルスは、3種類の歯とキバという個性的な口をもって、たくましく暮らしていた、ユニークな小型恐竜です。
分類:鳥盤目 > 基盤的鳥盤類(ヘテロドントサウルス科)