
🔍 タップで拡大
ケツァルコアトルス(学名 Quetzalcoatlus northropi)は、約7,000万〜6,600万年前の白亜紀の終わりごろ、現在の北アメリカにいた巨大な翼竜です。学名はアステカ神話の翼をもつ神「ケツァルコアトル」にちなみます。史上最大級の空飛ぶ動物として知られています。
ケツァルコアトルスは翼を広げると10〜11メートル、地上に立つと高さ5メートルほどで、ちょうどキリンくらいの大きさがありました。これは、これまで空を飛んだ動物のなかでもっとも大きなもののひとつです。これほど巨大でありながら、骨が中空で軽く、体重は200〜250キロほどだったと推定されています。
これほど巨大な体で飛べたのか、長く議論されてきました。現在では、強力な前あしの筋肉で地面を蹴り、四本の足でジャンプして飛び立った(四足跳躍)と考えられています。いったん空に上がれば、大きな翼で上昇気流をとらえ、ほとんどはばたかずに長い距離を滑空できたとみられます。
ケツァルコアトルスは、空を飛ぶだけでなく、地上を歩き回るのも得意でした。翼をたたんで前あしを足のように使い、四本足でのっしのっしと歩いたと考えられています。内陸の氾濫原や河川敷を歩き回り、コウノトリのように小動物や魚をついばんでいたとみられます。
ケツァルコアトルスは歯がなく、長く尖ったくちばしをもっていました。アズダルコ科という翼竜のグループに属し、首も長く、まるで巨大なコウノトリのような姿でした。大きな獲物を陸でついばむ、当時の生態系のなかでもユニークな捕食者だったと考えられています。
ケツァルコアトルスは、恐竜時代のいちばん最後(マーストリヒチアン)の空を飛んでいました。ティラノサウルスやトリケラトプスと同じ時代を生きた翼竜で、約6,600万年前の大絶滅まで、巨大な翼で空を支配していました。恐竜時代の終わりを見届けた、空の最後の巨人です。
ケツァルコアトルスがいた白亜紀末の北アメリカは、川や湿地の広がる内陸の平野でした。海辺ではなく内陸を好んだとみられ、陸の上を歩き回って獲物を探していました。空の王者でありながら、地上のハンターでもあった、二つの顔をもつ翼竜です。
分類:爬虫綱 > 翼竜目 > プテロダクティルス亜目 > アズダルコ科