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タルボサウルス(学名 Tarbosaurus bataar)は、約7,000万年前の白亜紀の終わりごろ、現在のモンゴルや中国にすんでいた巨大な肉食恐竜です。学名は「おそろしいトカゲ」を意味します。ティラノサウルスにとてもよく似た、アジアを代表するティラノサウルス科の恐竜です。
タルボサウルスは全長10〜12メートルにもなる巨体で、北アメリカのティラノサウルスとそっくりな姿をしていました。両者は近い親戚で、かつては同じ仲間とされたこともあります。アジアの白亜紀末の生態系で、まぎれもない頂点捕食者として君臨していました。
タルボサウルスは、ティラノサウルスよりやや細long長い頭をもち、前あしはさらに小さめでした。また、頭骨のつくりにもいくつかちがいがあります。こうした細かな差から、現在では別属(別のなかま)として区別されています。よく似ているからこそ、両者を見分ける研究が進められてきました。
タルボサウルスは、大きく頑丈なあごと太い歯をもち、獲物を骨ごとかみ砕く力をもっていました。大型の竜脚類やカモノハシ竜などを狩り、死肉も食べていたと考えられます。アジアの白亜紀末の世界で、もっとも恐れられた存在でした。
タルボサウルスは、モンゴルのネメグト層などで多くの化石が見つかっています。子どもからおとなまでさまざまな成長段階の標本があり、ティラノサウルス類がどのように成長したかを研究するうえで、とても貴重な恐竜です。
タルボサウルスは、その人気の高さから、化石が違法に国外へもち出される問題も起きました。アメリカで競売にかけられた骨格がモンゴルへ返還された事件は、化石は発見された国の貴重な遺産であるという考えを世界に広めるきっかけになりました。
タルボサウルスがいた白亜紀末のモンゴルは、河川が網の目のように流れる、湿った氾濫原でした。同じ世界にはテリジノサウルスやデイノケイルスなど個性的な恐竜もいました。タルボサウルスは、そのすべての頂点に立つ、アジアの「暴君」だったのです。
分類:竜盤目 > 獣脚亜目 > ティラノサウルス上科 > ティラノサウルス科 > ティラノサウルス亜科