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ティラノミムスは、約1億2,000万年前の白亜紀前期、いまの福井県勝山市にすんでいた小型の獣脚類です。学名は「ティラノ(暴君)に似たもの」という意味ですが、実際にはティラノサウルスのなかまではなく、ダチョウのような姿の「オルニトミモサウルス類(ダチョウ恐竜のなかま)」に分類されます。2023年に発表された、日本でいちばん新しい時期に命名された恐竜のひとつです。
化石は、フクイラプトルやフクイベナトルと同じ勝山市の北谷層から見つかった体の骨です。研究の結果、ティラノミムスはオルニトミモサウルス類のなかでも非常に初期に枝分かれした種であることが分かりました。これは、ダチョウのような恐竜たちの進化が、これまで考えられていたより早い時期に始まっていた可能性を示す重要な発見です。2023年、服部創紀(はっとり・そうき)博士らによって命名されました。
「ティラノに似たもの」という名前は、発見された骨の一部が、最初はティラノサウルスのなかまの特徴に似て見えたことに由来します。くわしく調べた結果、別のグループだと分かりましたが、その研究の経緯がそのまま名前に残された、ユニークな一例です。
ティラノミムスは、福井県が「恐竜王国」と呼ばれる理由をさらに強める発見でした。北谷層からは次々と新種の恐竜が見つかっており、ティラノミムスもそのひとつ。アジアにおけるダチョウ恐竜の起源を考えるうえで、世界的にも注目されています。
ホロタイプ(基準標本):福井県立恐竜博物館(複数個体の体骨)