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ランフォリンクス(学名 Rhamphorhynchus muensteri)は、約1億5,000万年前のジュラ紀後期、現在のドイツの海の上を飛んでいた翼竜(よくりゅう)です。学名は「くちばしの鼻先」を意味します。じつは恐竜ではなく、恐竜に近い「空飛ぶ爬虫類」の仲間で、長い尾の先に「うちわ」のような舵(かじ)をもつ、古いタイプの翼竜の代表です。

まず知っておきたいのは、ランフォリンクスのような翼竜は「恐竜」ではないということです。翼竜は、恐竜と同じ時代に生き、恐竜に近い親せきではありますが、恐竜とは別のグループです。前あしの長くのびた指に皮膜(ひまく)を張って飛ぶという、恐竜とはまったくちがう体のつくりをもっていました。空を飛んだ最初の脊椎動物(せきついどうぶつ)として、とても重要な存在です。
ランフォリンクス最大の特徴は、長い尾と、その先についた菱形(ひしがた)の皮膜です。これは飛ぶときの舵の役割を果たし、方向転換やバランスをとるのに役立ったと考えられています。長い尾をもつ古いタイプの翼竜(ランフォリンクス類)は、この恐竜ならぬランフォリンクスの名前がもとになっています。あとの時代の翼竜(プテラノドンなど)は、尾が短くなっていきました。
ランフォリンクスの口先には、前に向かって突き出した、細く鋭い歯がずらりと並んでいました。これは、海面近くの魚をひっかけて捕らえるのにぴったりの形です。低く飛びながら、水面の魚をすくい取るように狩っていたと考えられます。歯のかみ合わせは、まるでオリのように魚をのがさない構造でした。
ランフォリンクスは、ドイツのゾルンホーフェンの地層から、非常に保存のよい化石が数多く見つかっています。なかには、翼の皮膜の跡までくっきり残ったものもあり、翼竜の体のつくりを知るうえで、世界でもっとも貴重な標本のひとつとされています。子どもからおとなまでそろっているため、成長にともなう体の変化の研究も進んでいます。
ランフォリンクスは、有名なアーケオプテリクス(始祖鳥)と同じ、ゾルンホーフェンの空を飛んでいました。鳥が現れはじめたジュラ紀後期に、翼竜もまた空で栄えていたのです。皮膜で飛ぶ翼竜と、羽毛で飛ぶ鳥——ちがう方法で空をめざした生きものたちが、同じ空を分け合っていたことになります。
ランフォリンクスがいたジュラ紀後期のドイツは、サンゴ礁に囲まれた浅い海とラグーン(潟湖)が広がる場所でした。きめ細かい泥が静かに積もったため、翼の膜まで残る奇跡的な化石が生まれました。ランフォリンクスは、その美しい海の上を、長い尾をなびかせて飛んでいた、優雅な翼竜です。
長い尾を舵にして海の上を舞う優雅な翼竜——ランフォリンクスは、恐竜ではないものの、恐竜たちと同じ空・同じ時代を生きた、空の主役のひとりです。美しい化石の数々は、大昔の空のようすを今に伝えてくれます。恐竜図鑑NAVIで、ほかの恐竜たちもチェックしてみてね!
出典:Encyclopaedia Britannica/Natural History Museum, London/DinoAnimals Dinosaur Database(最終確認:2026年7月)
分類:爬虫綱 > 翼竜目 > 基盤的翼竜(長い尾をもつタイプ)
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