
🔍 タップで拡大
ヴェクタエロヴェナトルは、約1億1,500万年前の白亜紀前期、いまのイギリス・ワイト島にすんでいた肉食恐竜(獣脚類)です。2020年に発表されました。骨の内部に空気の入った空洞(含気骨)が発達していたことが名前の由来で、学名は「ワイト島の・空気をもつ・ハンター」、種名「イノピナトゥス」は「予期せぬ」を意味します。海辺で化石ハンターたちが偶然見つけた骨が、新種と判明した経緯でも話題になりました。
ヴェクタエロヴェナトルの化石(首・背中・尾の骨)は、ワイト島のビーチで複数の化石愛好家がそれぞれ見つけたものでした。専門家がそれらを照合した結果、同じ一頭の新種恐竜だと判明。市民の発見が学術研究に結びついた好例として知られています。
骨の中に空気の通り道が発達しているのは、鳥に近い獣脚類によく見られる特徴です。これは体を軽くし、呼吸を助ける役割があったと考えられています。推定全長は約4メートル。海に近い地層から見つかっていますが、陸にすんでいた肉食恐竜の死体が海まで運ばれたものとみられます。
ヴェクタエロヴェナトルは、ワイト島の獣脚類の多様性を広げる発見でした。市民が見つけた化石が新種記載につながった点で、化石保護と市民参加の大切さを示す事例にもなっています。
ホロタイプ(基準標本):ワイト島ダイナソー・アイル博物館(頸椎・背椎・尾椎)