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コエロフィシス(学名 Coelophysis bauri)は、約2億1,500万〜2億年前の三畳紀後期、現在の北アメリカにすんでいた小型の肉食恐竜です。学名は「中空(ちゅうくう)の形」を意味します。恐竜の歴史のいちばん初期に登場した、もっとも古い恐竜のひとつとして知られています。
コエロフィシスは、恐竜がまだ現れて間もない三畳紀後期に生きていました。恐竜時代の初期の姿を知るうえで、とても重要な恐竜です。全長2〜3メートルとほっそりした小型で、長い首と尾、すばやく動く後ろあしをもっていました。のちの大型肉食恐竜たちの、いわば「原型」のような存在です。
学名「中空の形」のとおり、コエロフィシスの骨は中空(中が空っぽ)で、とても軽くできていました。これは現在の鳥の骨と似たしくみで、体を軽くしてすばやく動くのに役立ちました。細long長い体で、小さな獲物を追いかけて捕らえていたと考えられます。
アメリカのゴーストランチという場所からは、何百頭ものコエロフィシスの骨がまとまって見つかりました。これは恐竜の「集団墓地」とも呼ばれ、洪水などで群れがいっぺんに埋もれたと考えられています。これほど多くの個体が見つかったおかげで、成長や個体差までくわしく研究できる、貴重な恐竜です。
かつて、コエロフィシスの体内から小さなコエロフィシスの骨が見つかり、「共食いをしていた」と考えられていました。しかし近年の再調査で、その骨は別の爬虫類のものだった可能性が指摘され、共食い説は見直されています。化石の解釈は、研究が進むと変わることがあるよい例です。
コエロフィシスは、鋭い小さな歯で、小型の爬虫類や魚、初期のほ乳類のなかまなどを捕らえていたと考えられます。群れで行動していた可能性もあり、すばやさを武器に、三畳紀の世界を生きぬいていました。
コエロフィシスがいた三畳紀後期の北アメリカは、河川や氾濫原のある半乾燥地で、季節によって乾いたり湿ったりする環境でした。恐竜がこれから大繁栄していく、まさにその出発点の時代です。コエロフィシスは、恐竜の長い歴史の「はじまり」を今に伝える、貴重な恐竜なのです。
分類:竜盤目 > 獣脚亜目 > 新獣脚類 > コエロフィシス上科 > コエロフィシス科