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パキケファロサウルス(学名 Pachycephalosaurus wyomingensis)は、約7,000万〜6,600万年前の白亜紀の終わりごろ、現在の北アメリカにすんでいた植物食〜雑食の恐竜です。学名は「分厚い頭のトカゲ」を意味します。その名のとおり、ドーム状に大きく盛り上がった頭の骨が最大の特徴で、「石頭恐竜(堅頭竜)」の代表として知られています。
パキケファロサウルス最大の特徴は、厚さ25センチにもなる、こぶのように盛り上がった頭の骨です。頭のまわりやドームのふちには、小さなとげや突起が並んでいました。体のわりに頭がとても頑丈で、堅頭竜のなかでも最大級でした。全長は4〜5メートルほどです。
この分厚い頭が何に使われたのかは、長く議論されてきました。かつては「オスどうしが頭をぶつけ合って戦った(頭突き)」と考えられ、今でも有力な説のひとつです。一方で、まっすぐぶつけると首をいためるため、横腹を打ち合った、あるいは単に仲間へのアピールに使ったという説もあります。ドームに治った傷の跡が見つかった例もあり、何らかの形でぶつけ合っていた可能性が高いとされています。
パキケファロサウルスは2本足で歩く恐竜でした。小さな葉のような歯をもち、葉・種子・果実などを食べ、ときには小さな動物も口にする雑食だったと考えられています。前あしは小さく、おもに後ろあしで体を支えていました。
近年の研究では、かつて別種とされていた「スティギモロク」や「ドラコレックス」が、じつはパキケファロサウルスの子どもや若い個体だったのではないか、という説が提案されています。成長するにつれてドームが大きく盛り上がり、とげが短くなっていったという考えです。これが正しければ、堅頭竜の種類は思っていたより少ないことになります。
パキケファロサウルスは、頑丈なドームの部分は化石に残りやすい一方、体のほかの部分の骨はもろく、なかなか見つかりません。そのため全身の姿には、まだはっきりしない点も多く残されています。頭のドームだけが見つかることが多い、ちょっと変わった恐竜です。
パキケファロサウルスがいた白亜紀最後の北アメリカは、森林や川のある内陸の低地でした。ティラノサウルスやトリケラトプスと同じ時代を生きた恐竜で、約6,600万年前の大絶滅まで、ユニークな石頭をもってたくましく暮らしていました。恐竜の「行動」を考えさせてくれる、興味深い一種です。
分類:鳥盤目 > 周飾頭類 > 堅頭竜下目 > パキケファロサウルス科