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イアニは、約9,400万年前の白亜紀後期、いまのアメリカ・ユタ州にすんでいた小型〜中型の植物食恐竜(初期の鳥脚類)です。2023年に発表され、地球が温暖化していく時代の「移り変わり」を象徴する恐竜として注目されました。学名はローマ神話で物事の変わり目をつかさどる双面の神「ヤヌス」に由来し、種名はスミス氏への献名です。
イアニが生きた白亜紀の中ごろは、地球が大きく温暖化し、海面が上昇していた時代でした。植物の世界では花を咲かせる植物(被子植物)が広がり、恐竜の顔ぶれも入れ替わりつつありました。イアニは、こうした変化の時代に生き残っていた古いタイプの鳥脚類で、生態系の移り変わりを記録する貴重な存在です。
イアニは全長2〜3メートルほどの小柄な植物食恐竜で、植物をかみ切るくちばしと、すりつぶす歯をもっていました。頭骨・背骨・四肢を含むよくそろった骨格が見つかっており、ノースカロライナ自然科学博物館に収蔵されています。
イアニは、北アメリカで角脚類(鳥脚類に近いグループ)がいつまで生き残っていたかを知る手がかりになりました。大型のハドロサウルス類や角竜が栄える前の、移行期の生態系を理解するうえで重要な一種です。
ホロタイプ(基準標本):ノースカロライナ自然科学博物館 NCSM 33548(頭骨・脊椎・四肢)