
90年近くもの間、別の恐竜の仲間だと思われて“かくれていた”角竜が、じつは新しい種類だったと分かりました。新属クリプタルクス・ラッセリ(Cryptarcus russelli)です。2026年4月、学術誌『Canadian Journal of Earth Sciences』で報告されました。
クリプタルクスは、頭のうしろに大きなえりかざり「フリル」を広げる角竜(ケラトプス科のカスモサウルス亜科)の仲間です。生きていたのは白亜紀後期、いまから約7600万年前ごろ。化石はカナダ・アルバータ州の有名なダイナソーパーク層から見つかっています。
じつはこの化石、見つかったのは1936年ととても古く、1940年には別の角竜「カスモサウルス」の一種として名づけられていました。ところが2026年、ホームズ博士らがほぼ完全な頭の骨をくわしく調べなおしたところ、カスモサウルスとは別の新しいなかまだと判明。長年“かくれていた”ことから、新しい名前がつけられたのです。
「クリプタルクス」という名前は、ラテン語の「クリプティクス(かくれた)」と「アルクス(アーチ)」を合わせたもの。長くカスモサウルスの中にかくれていたことと、フリルを横切るアーチ状の骨の梁(はり)にちなんでいます。種名の「ラッセリ」は、化石を見つけたロリス・ラッセル氏への敬意をこめた名前です。
恐竜の研究は、新しい化石を掘り出すことだけではありません。クリプタルクスのように、博物館に長くねむっていた古い標本を最新の目で見なおすことからも、大きな発見が生まれます。この研究は、角竜の仲間がどのように枝分かれして進化したのかを考えなおすきっかけになりました。
90年ものあいだ別の恐竜のかげにかくれていた角竜クリプタルクス。すでに見つかっている化石のなかにも、まだ気づかれていない“新種”がねむっているのかもしれません。博物館の標本は、何度でも私たちを驚かせてくれます。
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出典:Wikipedia「Cryptarcus」/論文:Canadian Journal of Earth Sciences(Holmesほか、2026年)(最終確認:2026年6月)