
体じゅうに羽毛をまとい、前あし・後ろあし・しっぽの3か所に“翼”のような長い羽をもつ、とても小さな恐竜が中国で見つかりました。新種チャンチョウサウルス・シネンシス(Changzhousaurus sinensis)です。世界的に有名な徐星(じょせい)博士のチームが報告し、2026年6月に発表されました。
チャンチョウサウルスは、全長わずか約34センチという手のひらにのるほど小さな恐竜です。グループとしては、すばしっこいハンターで知られるドロマエオサウルス類(ヴェロキラプトルやミクロラプトルの仲間)。生きていたのは白亜紀前期、いまから約1億2000万年前のことです。
この恐竜のいちばんの驚きは、羽毛のつき方です。前あしに大きな翼(つばさ)のような羽をもつだけでなく、後ろあし(足)にも発達した羽があり、さらにしっぽの先には扇(おうぎ)のように広がる長い羽が約16枚もならんでいました。前あし・後ろあし・しっぽの羽がこれだけそろっているのは、これまで見つかったどの恐竜にもなかった組み合わせなのです。
恐竜の一部はやがて鳥へと進化しました。チャンチョウサウルスのように、体じゅうに羽をもつ恐竜は、「どうやって空を飛ぶ力を身につけたのか」を考えるうえでとても大切です。研究チームはこの恐竜を、鳥の飛行進化のなぞをとく“金のかぎ”になる発見だと表現しています。
「チャンチョウサウルス」という名前は、研究を支えてくれた中国・江蘇(こうそ)省常州(じょうしゅう)市への感謝をこめてつけられました。「サウルス」はギリシャ語で「トカゲ」、種名の「シネンシス」はラテン語で「中国の」という意味です。化石は中国・遼寧(りょうねい)省の九仏堂(きゅうぶつどう)層から見つかりました。
手のひらサイズの体に、前あし・後ろあし・しっぽの“四枚翼”をそなえた羽毛恐竜チャンチョウサウルス。小さな体には、恐竜から鳥への進化という大きな物語がつまっていました。これからの研究で、鳥が空を飛ぶようになったひみつがもっと見えてくるかもしれません。
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出典:Wikipedia「Changzhousaurus」/新華社・人民日報(2026年6月18日報道)(最終確認:2026年6月)