
2026年7月、カナダの研究チームが、新種のトサカ恐竜プレシオロフス・ワーネレンシス(Plesiolophus warnerensis)を発表しました。約7,700万年前(白亜紀後期)のカナダ・アルバータ州にすんでいた、頭に中空(なかがからっぽ)のトサカをもつ植物食恐竜です。そして何より、あの有名なパラサウロロフスの“ご先祖さま”かもしれないことで注目されています。
プレシオロフスは、平たいくちばしをもつ「カモノハシ竜(ハドロサウルス類)」の一種です。そのなかでも、頭に中空のトサカ(かざり)をもつ「ランベオサウルス類」というグループにふくまれます。トサカの中は空どうになっていて、鼻から続く空気の通り道がとおっていました。プレシオロフスは、この地層で見つかった大人のランベオサウルス類としては初めての、はっきりした化石だといいます。
今回いちばんの話題は、プレシオロフスが、長いトサカで有名なパラサウロロフスにつながる「ミッシングリンク(進化のつなぎ目)」かもしれない、という点です。パラサウロロフスの長いトサカが、どのように進化してきたのか——その謎を解くカギをにぎる恐竜として、研究者の注目を集めています。
化石を見つけたのは、化石ハンターのウェンディ・スロボダさん。見つかったのは、頭の骨の天井部分(頭骨の屋根)と、脳を守る骨(脳函・のうかん)でした。カナダ・ワーナーの近くにある「オールドマン層」という地層から発見され、2026年7月13日に学術誌で発表されました。少ない骨からでも、トサカ恐竜の進化の物語が見えてくるのです。
ランベオサウルス類のトサカの中は、空気の通り道になっていました。このため、トサカを使って大きな音を鳴らして仲間とよびかけ合ったのではないか、と考えられています。まるで楽器のトランペットのようです。ほかにも、仲間を見分けたり、相手にアピールしたりするのにも役立ったとみられます。トサカは、恐竜たちの“おしゃべり”や“おしゃれ”の道具だったのかもしれません。
プレシオロフスが見つかったアルバータ州は、世界でも有数の恐竜化石の産地です。多くのカモノハシ竜や角竜、大型の肉食恐竜の化石が、つぎつぎと見つかっています。今回の発見も、白亜紀後期のカナダに、いかにたくさんの種類の恐竜がくらしていたかを、あらためて教えてくれました。パラサウロロフスの図鑑ページとあわせて読むと、トサカ恐竜の魅力がもっと分かります。
出典:Sci.News「New Crested Dinosaur Species Identified in Canada」(Canadian Journal of Earth Sciences, 2026年7月)
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