
しっぽの先に“帆”のような構造をもつ、めずらしいカモのくちばし恐竜(ハドロサウルス類)が中国で見つかりました。新種ゴンシュイロン・ファンウェイ(Gongshuilong fanwei)です。中国南部で初めて記載されたハドロサウルス類として、2026年に学術誌『Journal of Systematic Palaeontology』で報告されました。
ゴンシュイロンは、植物を食べるハドロサウルス類(カモのようなくちばしをもつ恐竜)の仲間で、生きていたのは白亜紀のいちばん終わりごろ(マーストリヒチアン)。全長はおよそ7メートルの中型サイズだったと推定されています。化石は少なくとも2頭分が見つかっています。
この恐竜のいちばんの個性は、しっぽのうしろのほうの骨にあります。背骨の上にのびる突起(神経棘)が非常に長く、なんと骨の本体の8.5倍もの高さがあって、少し後ろに反っていました。これが集まることで、しっぽの先に帆のような構造ができていたのです。何のためのものかはまだ謎ですが、仲間へのアピールなどに使われた可能性があります。
化石が見つかったのは、中国・江西(こうせい)省カン州の蓮河(レンホー)層。2021年3月、建設工事のさなかに見つかりました。工事現場から貴重な恐竜が姿を現すのは、世界各地で起きていることです。
ハドロサウルス類は、平たいくちばしと、すりつぶすのに適したたくさんの歯をもつ植物食恐竜です。白亜紀の終わりごろに大繁栄し、群れで暮らしていたと考えられています。頭にとさかをもつ種類も多いのですが、ゴンシュイロンは“しっぽ”に目立つ特徴があるユニークな一頭です。
しっぽに帆をもつ、ちょっと変わったカモのくちばし恐竜ゴンシュイロン。中国南部から初めて見つかったハドロサウルス類という点でも貴重な発見です。よく知られたグループにも、まだまだ意外な姿の仲間がいたことを教えてくれます。
出典:Wikipedia「2026 in archosaur paleontology」/論文:Journal of Systematic Palaeontology(姚ほか、2026年)(最終確認:2026年6月)