
ブラジル北東部の建設現場から、全長およそ20メートルにもなる巨大な草食恐竜の化石が見つかりました。新種ダソサウルス・トカンティネンシス(Dasosaurus tocantinensis)と名づけられたこの恐竜は、首と尾の長い大型恐竜「ティタノサウルス形類(竜脚類の一グループ)」の仲間です。学術誌『Journal of Systematic Palaeontology』に2026年5月に報告され、南米の巨大恐竜史をひもとく手がかりとして注目されています。
化石が見つかったのは、ブラジル・マラニョン州ダビノポリスの建設現場。道路と鉄道のターミナルをつくる工事のさなか、地下およそ8メートルの深さから掘り出されました。見つかったのは尾の骨、太ももの骨(大腿骨)、ろっ骨、足の骨など、竜脚類としては比較的そろった骨格で、太ももの骨だけで長さ約1.5メートルもありました。
ダソサウルスは全長およそ20メートル、生きていたのは約1億2000万年前の白亜紀前期と推定されています。20メートルといえば、大型バス2台分ほどの長さ。長い首を生かして高い木の葉を食べていたと考えられます。
面白いのは、ダソサウルスにもっとも近い親せきが、いまのスペインで見つかっている恐竜だったこと。研究チームは、超大陸ゴンドワナがまだひとつにつながっていた約1億4000万〜1億2000万年前に、北アフリカを通って恐竜たちが行き来していた証拠ではないかと考えています。大陸の動きと恐竜の広がりが結びつく、壮大な物語です。
骨の内部構造を調べると、ダソサウルスの成長のしかたは、古いタイプの竜脚類と、のちのティタノサウルス類のちょうど中間にあたることがわかりました。これは、竜脚類が巨大になる特徴を、これまで考えられていたより早い時期から発達させていた可能性を示しています。研究はサンパウロ大学のマックス・ランガー博士らのチームが行いました。
工事現場の地中から現れた全長20メートルの巨竜ダソサウルス。遠いスペインの恐竜とのつながりや、巨大化の進化の手がかりなど、たくさんの物語を秘めた発見です。南米の大地には、まだまだ知られざる巨大恐竜が眠っているのかもしれません。
出典:Phys.org「New long-necked dinosaur found in Northeast Brazil was a close relative of a European species」/論文:Journal of Systematic Palaeontology(サンパウロ大学ほか、2026年5月6日)(最終確認:2026年6月)