
たった1個の骨から、まったく新しい恐竜の種類が見つかりました。2026年7月、タイの研究チームが、長い首をもつ巨大な草食恐竜の新種ウラガサウルス・カラシネンシス(Uragasaurus kalasinensis)を発表しました。見つかった化石は、背骨(せぼね)のたった1個だけ。それでも、この骨には他のどの恐竜にもない特徴があり、新種だとわかったのです。
ウラガサウルスは、長い首と長い尾をもつ植物食の巨大恐竜「竜脚類(りゅうきゃくるい)」の仲間です。とくに、首がとてつもなく長いことで知られる「マメンチサウルス類」というグループに分類されます。ジュラ紀の終わりごろ(約1億4300万年前)、東南アジアの森でくらしていたと考えられています。ディプロドクスやブラキオサウルスのような、あの“首の長い巨大恐竜”のなかまです。
化石は、タイ北東部の「プークラドゥン層」という地層から見つかった、たった1個の胴体の背骨(椎骨・ついこつ)でした。研究チームがこの骨を調べると、他の恐竜にはない「Y字形にならんだ骨の出っぱり(りょう線)」や、体を軽くするための独特な空気の部屋(気のう)があることがわかりました。この特徴から、新種だと判断されたのです。
マメンチサウルス類の化石は、これまでほとんどが中国で見つかっていました。今回タイで見つかったことで、この長い首の巨大恐竜たちが、これまで考えられていたよりずっと広い地域でくらしていたことがわかりました。研究チームは「東南アジアのマメンチサウルス類の多様性を広げる発見」だと説明しています。
恐竜の骨には、種類ごとにちがう“指紋”のような特徴があります。とくに背骨は、体を支えたり呼吸をしたりするための独特な形をしていて、種類の見分けに役立ちます。だから、たとえ全身の骨がそろっていなくても、特徴のはっきりした骨が1個あれば、新種だと判断できることがあるのです。小さな化石のかけらが、大昔の地球の秘密を教えてくれる——今回はそのよい例です。
タイでは近年、新種の恐竜がつぎつぎと見つかっています。2026年5月には、東南アジア史上最大級とされる巨大竜脚類「ナガティタン」も発表されました。ウラガサウルスの発見は、タイがジュラ紀から白亜紀にかけて、たくさんの恐竜がくらす豊かな土地だったことを、あらためて示しています。
出典:ScienceAlert「A Whole New Species of Giant Dinosaur Has Just Been Identified」
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