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研究

T.レックスは“約40歳”でようやく大人に|17体の骨を解析、成長は従来説より15年長かった(2026年)

2026.07.06

恐竜の王さまティラノサウルス・レックス(T.レックス)が、体重およそ8トンという“完成形”の体になるまでには、これまで考えられていたよりも15年ほど長い、約40年もの歳月がかかっていた――。17体ものティラノサウルス類の骨をあらためて解析した最新研究が、王者の意外な「成長スピード」を明らかにしました。学術誌『PeerJ』で2026年に報告され、6月下旬に世界で大きく取り上げられています。

これまでの常識は「20〜25歳で大人」

恐竜がどのくらいのスピードで育ったかは、骨の断面に残る「成長輪」を調べることでわかります。木の年輪と同じように、骨にも1年ごとに線が刻まれるため、その数を数えれば「何歳まで成長を続けたか」を読み取れるのです。これまでのT.レックス研究では、だいたい20〜25歳ごろに成長が止まり、大人の大きさに達すると考えられてきました。

骨の“かくれた年輪”を偏光顕微鏡で発見

今回の研究チーム(米オクラホマ州立大のホリー・ウッドワード氏ら)は、17体のティラノサウルス類の脚の骨を薄くスライスし、偏光顕微鏡(クロス偏光・円偏光)で観察しました。すると、ふつうの顕微鏡では見落とされていた「アンヌリ」と呼ばれる、成長がゆっくりになった時期を示す細い線が次々と浮かび上がってきたのです。

この“かくれた年輪”まで数え直した結果、T.レックスは20代で成長を止めるどころか、約40歳ごろまで少しずつ大きくなり続けていたことがわかりました。従来の見積もりより15年も長い、ゆっくりとした成長だったのです。

一部の有名標本は「T.レックスではないかも」

さらに研究の過程では、これまでT.レックスとされてきた標本のなかに、じつは別のタイプ(T.レックスに近い“種の複合体”のなかま)かもしれないものが混じっている可能性も指摘されました。同じ「T.レックス」と呼ばれてきた化石たちが、思っていたよりも多様だった――という点も、今回の研究の見どころのひとつです。

ゆっくり育つことの意味

これほど長い時間をかけて育ったということは、T.レックスがかなりの長寿だった可能性を示します。また、大人になりきる前の「亜成体(サブアダルト)」の期間がとても長かったことにもなります。すらりとして俊敏だった若いT.レックスと、がっしりして力強い大人のT.レックスとでは、狩りのしかたや食べる獲物もちがっていたと考えられ、同じ種類でも成長の段階ごとに“ちがう役割”を担っていた可能性がうかがえます。

ここがポイント

  • 17体のティラノサウルス類の脚の骨を解析した最新研究(PeerJ・2026年)
  • 偏光顕微鏡で“かくれた成長輪(アンヌリ)”を発見し、成長期間を再計算
  • 大人の体(約8トン)になるまで約40年――従来説より15年長い
  • 長寿で、亜成体の期間が非常に長かった可能性
  • 「T.レックス」とされてきた標本の一部は別タイプの可能性も

いちばん有名な恐竜であるT.レックスにも、まだこれだけ知らないことが残されている――。古い化石を最新の技術で見つめ直すことで、王者の“生き方”が少しずつ塗り替えられていきます。今後の追加研究にも注目です。

出典:ScienceDaily「T. rex took 40 years to reach full size, scientists find」Sci.News/論文:PeerJ, 2026(米オクラホマ州立大ほか。最終確認:2026年7月)

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