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発見

体重2ポンド(約1kg未満)の極小恐竜アルナシェトリ|“小さくなってから進化した”アルバレスサウルス類(2026年)

2026.03.11

体重がわずか2ポンド(約1キロ)未満——ネコより軽いほどの小さな恐竜の、ほぼ完全な骨格が見つかりました。アルゼンチン・パタゴニアで発掘されたアルナシェトリ・セロポリシエンシス(Alnashetri cerropoliciensis)です。約9000万年前に生きていたこの極小恐竜の研究が、2026年3月に学術誌『Nature』で発表され、「恐竜の進化の常識を書きかえる発見」として注目されています。

どんな恐竜だったのか

アルナシェトリは、鳥のような姿の小型肉食恐竜グループ「アルバレスサウルス類」の仲間です。アルバレスサウルス類は、後の時代になるとがっしりした短い前あしに大きな1本のかぎ爪をもち、その爪でアリ塚をこわしてアリを食べていたと考えられる、ちょっと変わった恐竜たち。アルナシェトリは、そうした特徴をもつ前の、より“原始的”な姿を残していました。

この発見が「進化の常識」を変えた理由

骨格をくわしく調べた結果、アルバレスサウルス類はまず体が小さくなり、そのあとで特殊なかぎ爪やアリ食いの特徴を発達させたことがわかりました。つまり「小型化が先、専門化はあと」だったのです。さらに、この仲間がこれまで考えられていたより早く出現していたことも判明。大陸がひとつながりだった超大陸パンゲアを通って世界へ広がった可能性が高く、海をこえて移動したわけではないと考えられています。

豆知識:小さな化石ほど見つけるのが大変

大きな恐竜の骨にくらべ、小さくて華奢な恐竜の骨は、こわれやすく見つかりにくいもの。だからこそ、ほぼ完全な骨格が残っていたアルナシェトリは非常に貴重です。化石は2014年に、化石の宝庫として知られるパタゴニア北部のラ・ブイトレラ産地で発見されました。

“恐竜版ロゼッタストーン”

研究を率いたミネソタ大学のピーター・マコヴィッキー博士は、この骨格を「古生物学のロゼッタストーンを見つけたよう」と表現しています。ロゼッタストーンが古代文字の解読の鍵になったように、アルナシェトリのきれいな骨格は、これまで断片的でよくわからなかった化石を正しく位置づけ、進化のつながりを地図のように描き出す“基準点”になるというのです。共同研究はアルゼンチンのセバスティアン・アペステギア氏らとともに行われました。

まとめ

体重1キロにも満たない極小の恐竜アルナシェトリ。その小さな体には、「小さくなってから進化した」というアルバレスサウルス類の歩みと、世界へ広がったルートのヒントがぎっしり詰まっていました。小さな化石が、恐竜進化の大きな謎を解く鍵になる——古生物学のロマンを感じさせる発見です。

出典:ScienceDaily「This 2-pound dinosaur is rewriting what scientists know about evolution」/論文:Nature(ミネソタ大学ほか、2026年3月10日)(最終確認:2026年6月)

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