
海を支配したトカゲの仲間として知られるモササウルス類ですが、その初期の姿は海だけにとどまらなかったようです。フランス南東部プロヴァンス地方のブック・ベル・エール市で発掘された化石から、淡水の湖に生息していたとみられる新種のモササウルス類が記載されました。学名は「ガラマウド・バウシエンシス(Garamaudo bauciensis)」です。
化石が見つかったのは、約8400万年前(中生代白亜紀後期サントニアン紀)の地層です。発掘自体は1997年に行われていましたが、今回あらためて詳しい研究が進められ、新種であることが確認されました。見つかったのは椎骨や肋骨、骨盤などで、少なくとも4個体分の骨が含まれていたということです。体長はおよそ2.5メートルと推定されており、モササウルス類の中では小型の種にあたります。
化石が発見されたブック・ベル・エール=スースキエールの地層は、適度に栄養が豊かな炭酸塩質の湖で形成されたとみられており、海ではなく淡水の生態系を示す環境だったと考えられています。また、この新種の椎骨や肋骨は厚く密になっており、浮力を細かく調節する役割を果たしていたと考えられます。研究チームは、ウナギのように体を波打たせて泳いでいた可能性を指摘しています。
ガラマウド・バウシエンシスは、モササウルス類の中でも初期に分岐したグループであるテティスサウルス亜科に属するとみられています。モササウルス類はもともと陸上のトカゲに近い祖先から進化し、海洋生活へと適応していったグループですが、その進化の過程で淡水域にも広がっていた可能性を示す発見といえます。
研究成果は2026年9月28日、学術誌「Peer Community Journal」に発表されました。筆頭著者はフランス国立自然史博物館のナタリー・バルデ博士とアレクサンドラ・ウッセイ博士です。モササウルス類の生態の幅広さを示す今後の研究の進展が期待されます。
出典: Sci.News
EDITOR'S PICK · WEEKLY
図鑑を楽しんだあとに見たい、いま注目のアイテムです。