
アフリカ南部のジンバブエで、約2億1000万年前(三畳紀後期)の新種恐竜が見つかりました。名前はムサンゴ・マツサドナエンシス(Musango matusadonaensis)。体長約4.5m、体重約220kgと、のちの巨大な竜脚類にくらべるとずっと小さな、首の長い恐竜のなかま(竜脚形類)です。
ムサンゴの化石が見つかったのは、ジンバブエ北部にある巨大な人造湖「カリバ湖」の南の岸辺です。このあたりは道がほとんどなく、車では近づけません。そこで研究チームはなんとボートで湖を渡って化石をさがしたのです。
岸辺の「ムサンゴ・アーコサウルス・サイト」とよばれる場所で2018年に発掘された骨が、くわしい研究の結果、新属新種の恐竜だとわかりました。見つかったのは背骨、肩やこしの骨、前あし・後ろあしの一部などです。
属名の「ムサンゴ」は化石が見つかった場所の名前から、種名の「マツサドナエンシス」は近くにあるマツサドナ国立公園からつけられました。命名したのはロンドン自然史博物館などの研究チームで、ムサンゴはジンバブエで見つかった5番目の恐竜になりました。
ムサンゴは、ディプロドクスやブラキオサウルスのような巨大竜脚類の遠いご先祖にあたるグループ「竜脚形類」の初期メンバーです。のちの竜脚類は4本足で歩きましたが、ムサンゴは2本足で歩いていたと考えられています。
研究チームの分析では、ムサンゴは2024年に同じカリバ湖のほとりで命名された恐竜「ムサンクワ」にいちばん近いなかまで、どちらも「ウナイサウルス類」というグループに入る可能性があるそうです。じつはムサンクワもボートの調査で見つかった恐竜。カリバ湖は”恐竜の宝の湖”なのかもしれませんね。
約2億1000万年前の三畳紀後期は、恐竜たちが世界へ広がりはじめた大切な時代です。ジンバブエやザンビアなどアフリカ南部では、場所によってすんでいる恐竜の顔ぶれがちがっていたことがわかってきており、ムサンゴの発見は「恐竜がどうやって多様化していったのか」を知る新しい手がかりになります。
まだ調べられていない岸辺もたくさん残っているそうなので、カリバ湖から6番目、7番目のジンバブエ恐竜が見つかる日も近いかもしれません。
出典:Sci.News「New Species of Triassic Dinosaur Discovered on Shores of Zimbabwe’s Lake Kariba」/ロンドン自然史博物館/Journal of Systematic Palaeontology(2026年7月)
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