
福島県いわき市の約9000万年前(白亜紀後期)の地層から見つかっていた化石が、日本の白亜紀の地層では最小クラスのイグアノドン類のものだったことがわかりました。推定される体長は約3m。恐竜としてはかなり小がらな、海辺にすんでいた植物食恐竜です。
化石が見つかったのは、福島県の海ぞいに広がる「双葉層群(ふたばそうぐん)」の芦沢層(あしざわそう)という地層です。双葉層群といえば、首長竜フタバスズキリュウが見つかったことで有名な、日本を代表する化石の産地。今回の化石は1999年に発掘され、20年以上たった今、筑波大学の研究チームによってくわしく調べられました。
研究されたのは、手おののような形をした右の胸骨板(きょうこつばん)とよばれる胸の骨です。くらべてみた結果、この骨はハドロサウルス類(カモノハシ恐竜)をふくむイグアノドン類の「スティラコステルナ類」というグループのものだとわかりました。骨1個からでも、恐竜のグループや体の大きさをしぼりこめるんです。
イグアノドン類には、体長2mほどの小型のものから10mをこえる大型のものまでいます。今回の恐竜は体長約3mと推定され、同じ芦沢層からこれまでに見つかっているイグアノドン類の骨よりもはっきり小さいことがわかりました。おとなになっても小さい種類だったのか、それとも子どもだったのか、今後の研究が楽しみです。
今回の発見で、白亜紀後期の東アジアの海辺には、大きさのちがういろいろなイグアノドン類がくらしていたことが見えてきました。海の地層から恐竜の化石が見つかるのは、川の水などで海へ運ばれたからだと考えられています。海にはフタバスズキリュウやサメ、陸には大小さまざまな恐竜たち——白亜紀の福島の海辺は、想像以上ににぎやかな世界だったようです。
研究成果は2026年7月、日本古生物学会の国際誌に発表され、8月に世界のニュースで紹介されました。
出典:Sci.News「Fossil of Small Duck-Billed Dinosaur Relative Found in Japan」/Phys.org/Paleontological Research(2026年)
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